STM32でNUTTXを使ってみる

タスクの自動起動

今までタスク関連のAPIを紹介しました。
そこで、今回はAPIから少し離れて、タスクの自動起動を紹介します。
デフォルトの設定では/devと/procのディレクトリだけが存在しています。

以下の手順でFAT File systemとROMS File systemを追加します。

$ make clean

              $ make menuconfig

FAT file system と ROM file systemの2か所を選びます。

メインメニューに戻り、Appication ConfigurationからNSH Libraryを選びます。

Scripting Supportの中のSupport ROMS start-up scriptを有効にします。

ここまで変更したらひたすらExitで抜けます。
最後に以下の画面で[.config]を上書きします。

新しい[.config]を使ってファームウェアをビルドし、新しいファームウェアをマイコンに書き込みます。
nshに接続すると/etc/init.dディレクトリが追加されていて、その中にrc.sysinitが有ります。
このファイルはnsh起動時(＝システム起動時)に自動的に起動されます。

デフォルトのrc.sysinitファイルは以下の場所に有ります。
$HOME/nuttxspace/apps/nshlib/rc.sysinit.template
このファイルを直接変更しますが、最初にgenromfsをインストールします。

$ sudo apt update

              $ sudo apt install genromfs

【変更前】

$ cat
              $HOME/nuttxspace/apps/nshlib/rc.sysinit.template

              # Create a RAMDISK and mount it at XXXRDMOUNTPOINTXXX

              

              mkrd -m XXXMKRDMINORXXX -s XXMKRDSECTORSIZEXXX
              XXMKRDBLOCKSXXX

              mkfatfs /dev/ramXXXMKRDMINORXXX

              mount -t vfat /dev/ramXXXMKRDMINORXXX XXXRDMOUNTPOINTXXX

【変更後】
先頭の3行はタスクの自動起動に直接関係ないので、今回はコメントアウトします。
Nuttxの起動と同時にtask_test3 initを実行する様にします。

$ cat
              $HOME/nuttxspace/apps/nshlib/rc.sysinit.template

              # Create a RAMDISK and mount it at XXXRDMOUNTPOINTXXX

              

              # mkrd -m XXXMKRDMINORXXX -s XXMKRDSECTORSIZEXXX
              XXMKRDBLOCKSXXX

              # mkfatfs /dev/ramXXXMKRDMINORXXX

              # mount -t vfat /dev/ramXXXMKRDMINORXXX XXXRDMOUNTPOINTXXX

              

              task_test3 init

変更が終わったら以下のコマンドで rc.sysinit.template を nsh_romfsimg.h に変換します。

$ cd $HOME/nuttxspace/apps/nshlib

              

              $ $HOME/nuttxspace/nuttx/tools/mkromfsimg.sh



                $HOME/nuttxspace/nuttx

              

              $ ls -l nsh_romfsimg.h

              -rw-rw-r-- 1 nop nop 6433  1月  7 12:25
              nsh_romfsimg.h

Nuttxディレクトリに戻ってファームウェアをビルドし、新しいファームウェアをマイコンに書き込みます。
nshに接続すると /etc/init.d/rc.sysinit が変更されていて、これに従って task_test3 init が実行されます。
task_test3 init は myTask1とmyTask2をInactiveにするコマンドなので、myTask1とmyTask2がInactive状態で起動されます。

/etc/init.d/rc.sysinit にmq_test startを登録すると、起動と同時にmyTask1とmyTask2を起動し、
myTask1は[foo] myTask2は[bar]のMessage Queueの待ち状態となります。

ファームの書き込み方法と、nshへの接続方法はこちらに紹介しています。
STM32F4 Discovery
STM32F3 Discovery
STM32F103RB Nucleo
STM32F103 BluePill/BlackPill
STM32F103 VEボード
STM32F407 VGボード

続く．．．