OrangePi-PCを使ってみる

Armbianのインストール

Raspberry Piの大成功以降、類似の製品が多数発表されました。
それら互換ボードの中でも、OrangePiシリーズは成功した部類に入ると思います。

Debian Jessieの通常サポートが2018年6月17日で切れたので、
長年愛用していたDebian Jessie(Debian 8)からDebian Stretch(Debian 9)に切り替えました。
これに伴い、ページの構成を大幅に変更しました。
その後、Bullseye(Debian 10)、Bookworm(Debian 12)と使い続けていますが、Stretchから大きな変更は無いので、
Strecthのままの記載が沢山残っています。

Armbianのイメージファイルはこちらか らダウンロードすることができます。
イメージファイルはxz形式で圧縮されています。
7-Zipなどを使って使って圧縮を解凍し、Win32DiskImagerでイメージをSD-CARDに書き込みます。
Stretch(Linux 5.4)のインストール手順はこちらで紹 介しています。
Stretch(Linux 5.7)/Buster(Linux 5.8)のインストール手順はこちらで紹介し ています。

ArmbianにはDebianとUbuntuのLinuxが用意されています。
さらにDebianではStretch、Buster、Bullseyeで同じバージョンのLinuxが存在しています。
時系列に並べるとこの様になります。
・Armbian_20.05.2_Orangepipc_stretch_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.05.2_Orangepipc_buster_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.05.2_Orangepipc_bullseye_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.08_Orangepipc_stretch_current_5.7.15.img.xz
・Armbian_20.08_Orangepipc_buster_current_5.7.15.img.xz
・Armbian_20.08_Orangepipc_bullseye_current_5.7.15.img.xz
・Armbian_20.08.1_Orangepipc_buster_current_5.8.5.img.xz

UbuntuではBionicとFocalで同じバージョンのLinuxが存在しています。
時系列に並べるとこの様になります。
・Armbian_20.05.1_Orangepipc_bionic_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.05.1_Orangepipc_focal_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.05.2_Orangepipc_focal_current_5.4.43.img.xz
・Armbian_20.05.4_Orangepipc_focal_current_5.4.45.img.xz
・Armbian_20.08_Orangepipc_bionic_current_5.7.15.img.xz
・Armbian_20.08_Orangepipc_focal_current_5.7.15.img.xz
・Armbian_20.08.1_Orangepipc_focal_current_5.8.5.img.xz

以前は「Armbia_5.xx_Orangepipc_コードネーム_カーネルバージョン」のネーミングルールでしたが、
2019年末から「Armbian_yy.mm[.d]_Orangepipc_コードネーム_カーネルバージョン」のネーミングルールに変わり ました。



Armbianのログインは幾つか選択肢が有ります。

@HDMIモニターを使ってログインする
JessieではHDMIモニターに正しく表示できない問題が有りましたが、Stretchでは解消されています。
HDMI-DVI変換ケーブル+DVIモニターでも、正しく表示されるようになりました。
また、こちらで紹介している5インチHDMIモニターも使えます。

AUSB-シリアル変換機+TeraTermのシリアルコンソールを使ってログインする
OrangePiシリーズはいずれのモデルでも、デフォルトでオンボード上のコンソールポートが有効になっています。
通信速度は115200bpsです。
USB-シリアル変換機が必要になりますが、ブートシーケンスがずらずら表示されるので、一番確実な方法です。
HDMIポートを持たないモデルではこの方法しかありません。
私はいつもこの方法でインストールしています。

BTeraTermのsshを使ってログインする
Armbianは最初からsshによるリモートログインが有効になっていますが、
最初の起動時にはIPアドレスが分からないので、sshでリモートログインすることができません。
別のLinuxマシン(例えばRaspberryなど)が必要になりますが、こちらの 方法でIPアドレスを知ることができます。



Armbianの各種設定はarmbian-configを使って変更することができます。
リリース当初は不安定なところが有りましたが、最近は安定して動きます。
起動すると以下の様にdialogベースの画面が表示されます。
armbian-configの実態は/usr/bin/armbian-configのshellスクリプトで、
こちらに 公式ドキュメントが公開されています。
このツールは結構頻繁に更新されています。


Systemメニューでは以下の設定を行うことができます。


一番よく使うのはHardwareの有効/無効の切り替えです。
i2cやSPIを有効にすることができます。
結果は/boot/config.txtに反映されます。


NetworkメニューでIPアドレスの変更やWiFiの設定を行うことができます。


PersonalメニューでTimezoneやLocaleの設定を行うことができます。


SoftwareメニューでアプリのインストールやKernel Headerのインストールを行うことができます。




Armbianではセッション内で最初にsudoコマンドを実行するときに、パスワードを要求されます。
こ ちらの手順でパスワード無しに設定することができます。



Armbian Stretchのviは、Raspbianのviと比べて少し設定が違っていてVISUALモードがデフォルトになっています。
VISUALモードはマウスの操作が反映されてしまうので慣れないと使いにくいです。
以下のコマンドでVISUALモードからTEXTモードに変更することができます。
echo "set mouse-=a" > ~/.vimrc
echo "set encoding=utf-8" >> ~/.vimrc
echo "set clipboard=unnamed,autoselect" >> ~/.vimrc

sudo sh -c "echo 'set mouse-=a' > /root/.vimrc"
sudo sh -c "echo 'set encoding=utf-8' >> /root/.vimrc"
sudo sh -c "echo 'set clipboard=unnamed,autoselect' >> /root/.vimrc"



マシン起動時のデーモンスタート表示は /boot/armbianEnv.txt の以下の定義で制御することができます。
起動時のメッセージをデバッグポートに出力する
console=serial


起動時のメッセージをデバッグポートに出力しない
console=both

次回はArmbianのOSバージョン番号の調べ方を紹介します。