ESP8266/8285を電池で使う

ESPシリーズの低電圧特性


ESP12Eを単三乾電池で動かす実験を行いましたが、ESP12Eでは起動できなくなった使い古しの乾電池でESP07Sが動く事に気が付き ました。
そこで、改めてESP07Sを使って単三乾電池2本でどこまで動くか確認してみました。

ESP12EとESP07Sはピンコンパチです。
ESP12E+単三乾電池で使用したブレッドボードパターンのユニバーサル基盤をそのまま使い、電池も同じビッグカメラブランドの青印です。


スケッチはこちらのWiFiのスケッチです。
1分毎の間欠動作でMQTTを使ってデータを送信します。

ESP12Eの方はESP.getVcc=2506、起動回数=7118回で終了しました。
ESP07Sの方はESP.getVcc=2169、起動回数=12646回で終了しました。
明らかにESP07Sの方が低い電圧でDeepSleepから復帰することができます。


ESP12EもESP07Sも、コアはESP8266EXですが、パッケージングされている回路が(おそらく)違います。
こちらに ESP12EとESP12Sのパッケージ内部の写真が公開されていますが、ESP8266EXの他にSPI Flash、抵抗、コンデンサー、クリスタルなどが実装されています。
また、ESP12EにはオンボードLEDが付いていますが、ESP07Sにはこれが有りません。
ESP12EはSleepから復帰するときに一瞬、オンボードLEDが点滅します。
これらの実装の違いが低電圧特性に影響していると思います。



こちらがESP12Sの結果です。
ESP12SにはオンボードLEDが付いていますが、ESP07Sと同様に低い電圧でDeepSleepから復帰することができます。




こちらがESP-Sの結果です。
ESP-SはDOITが発売しているESP8285ベースの製品で、ピンアウトがESP12やESP07と同じです。
こ ちらにこの製品の紹介ページが有ります。
ESP8285なので少し期待していましたが、ESP07Sよりも高い電圧でDeepSleepから復帰できなくなりました。




こちらがESP-WROOM-02の結果です。
あまり期待していませんでしたが、ESP07Sよりも低い電圧でDeepSleepから復帰することができます。
また、ESP07Sよりも電池の消耗が小さいです。




こちらがESP13の結果です。
ESP12Eと比べ電池の消耗が少ないです。


ESP-WROOM-02と同じピン配置のモジュールですが、ESP-WROOM-02よりもはるかに高い2.548Vで復帰できなくなりまし た。



こちらがESP-M2の結果です。
ESP-M2はDOITが発売しているESP8285ベースの製品です。


ESP8285のESP-Sと同じような傾向です。



一覧にまとめると以下の様になります。
DeelSleepから復帰できる電圧の低い順に並んでいます。
ESP13は2.548Vで復帰できなくなりましたが、回数はESP12Eよりも多いです。
ESP13はモジュールLEDが付いていないのが影響していると思われます。
ESP8285はESP8266よりも低電圧で動くという情報を見たことが有りますが、どうも誤りみたいです。
製品 CPU Sleepから復帰できる電圧(V) Sleepから復帰した回数
ESP-WROOM-02 ESP8266 2.090 14099
ESP07S ESP8266 2.169 12646
ESP12S ESP8266 2.199 12628
ESP-S ESP8285 2.271 11371
ESP-M2 ESP8285 2.301 10661
ESP12E ESP8266 2.506 7125
ESP13 ESP8266 2.548 10376