LuckFox Pico Miniでbuildrootを使ってみる

buildrootのインストール

LuckFox Pico Maxに続けて、LuckFox Pico Mini-Aを入手しました。
写真の様に切手サイズのLinuxマシンで、EthernetもSPI NAND FLASHもない、一番安いモデルです。
SoCにはRockchip RV1103が採用されています。
RC1103のMCUはCortex-A7なので、CPU性能はPico Proと同じです。
裏面にSoCとμSDカードスロットが有ります。


こちらが表面です。
今回入手したのはPico Mini-Aタイプですが、Pico Mini-Bタイプは赤枠の部分にSPI NAND FLASHが搭載されます。


前回紹介したPico Maxも小さいボードでしたが、それと比べてもさらに小型です。


各製品のスペックはこ ちらに公開されています。

OSイメージへのリンク(Google Cloud Link)がこ ちらに公開されていて、ubuntuとbuildrootのイメージを使用することができます。
Pico MaxではUbuntuを使ったので、今回はbuildrootを使ってみます。
使用したイメージはbuildrootフォルダーにある「luckfox_pico_mini_a_image」です。

buildrootについては色々なところに紹介されていますので、細かい説明は割愛しますが、
ubuntuやdebianなどでは起動後に普通にできるこれらの事が全くできません。
・ユーザーやグループの追加、削除
・デバイスの追加、削除
・ライブラリやアプリケーションの更新、追加、削除

これらを行うためには一旦、イメージを作り直して、作り直したイメージを使って再起動する必要が有ります。
組み込み用途を前提にしたLinuxなので、一旦動いてしまえば、変更する必要が無いという前提です。

SDカードへの書き込みツール(SocToolKit.exe)と、書き込み手順がこ ちらに公開されています。
注意点としてSDカードを刺した状態で書き込みツール(SocToolKit.exe)を起動すると、SDカードを認識しません。
書き込みツール(SocToolKit.exe)起動後に、SDカードを刺すと、SDカードを認識します。
また、提供されているイメージにはupdate.imgが含まれていますが、このファイルは書き込み対象から除外する必要が有ります。

SPI NAND FLASHが実装されているMini-Bタイプでは、buildrootをSPI NAND FLASHから起動することができます。
SPI NAND FLASHから起動する場合は、こ ちらの手順でFLASHにOSを書き込みます。

SDカードが準備できたら、USB-TTL変換アダプターを本体のデバッグポートに接続します。
GPIOのピン配置はこちらに 公開されていますが、Miniタイプのデバッグポートはピン番号4(TX)、5(RX)です。
USB-TTLアダプターをWindowsマシンに接続し、TeraTermを起動してから、ボードのUSB経由で電源を供給します。
ずらずらとブートメッセージが表示されてログインプロンプトが表示されます。


root/luckfoxのユーザが事前に登録されています。


提供されているbuildrootのバージョンは2023.02.6です。


poweroffは再起動します。
haltでshutdownします。


16GのSDカードを使いましたが、アサインされているパーテイションは4G程度です。
buildrootはパーテイションの伸張を行わないので、事前に確認しておいた方がいいです。
パーテイションサイズの変更はイメージの再構築が必要になります。


Swapは定義されていません。


/etc/profile.d/RkEnv.shにバグが有り、1行目がexport HOME=/oemになっています。
cdコマンドでこのディレクトリに移動してしまいます。
export HOME=/rootに変更する必要があります。
# cat /etc/profile.d/RkEnv.sh
#export HOME=/oem
export HOME=/root
export PATH=$PATH:$HOME:$HOME/bin:$HOME/usr/bin:$HOME/sbin:$HOME/usr/sbin
export LD_LIBRARY_PATH=$HOME/usr/lib:$HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH

続く....